市街化区域と市街化調整区域の違いとは|家が建てられない意外な落とし穴と調べ方

市街化区域と市街化調整区域の区域の最も重要な違いは、街づくりに対する行政のスタンスが正反対で、家を建てる際のスタート地点が全く違うことです。

市街化区域では、用途地域などの制限はあるものの、原則として建築できます。また、街づくりを促進するエリアと位置付けられています。

一方、市街化調整区域は原則建築できません。街づくりを抑制するエリアと位置付けられているからです。

しかし、市街化調整区域であっても、実は条件次第で例外的に家を建てられるケースもあります。

この記事では、それぞれの区域の具体的な建築制限や資産価値の違い、土地が調整区域と市街化区域のどちらに所在するかの調べ方までわかりやすく解説します。

本稿は不動産SEOのアップライト合同会社が制作し、宅地建物取引士の立石秀彦が監修しました。

目次

市街化区域と市街化調整区域の根本的な違い

市街化区域と市街化調整区域の違いを理解するためには、「街づくりに対する行政のスタンス」の違いから説明する必要があります。

この基本的な考え方を把握することが、不動産取引で後悔しないための第一歩となります。

都市計画法上の定義と制度の目的

まず、この区域分けの根拠となっている都市計画法とは、無秩序な開発を防ぎ、計画的なまちづくりを進めるための法律です。

この法律は、高度経済成長期に都市部の人口が急増し、郊外へ無計画に市街地が広がってしまう「スプロール現象」が社会問題となったことを受けて、昭和43年(1968年)に制定されました。

この法律の目的は、道路や上下水道といったインフラを効率的に整備するエリアと、豊かな自然環境や農地を守るエリアを明確に分けることで、住みよい街を持続的に発展させることにあります。

市街化を促進するエリアと抑制するエリア

市街化区域と市街化調整区域は、その名の通り、街づくりの方向性が正反対です。

市街化区域は「すでに市街地を形成している、または今後おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定義されています。

一方で、市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」と定められています。

実は、日本の国土の約4%に過ぎない市街化区域に、全人口の約70%が暮らしています。

この数字からも、限られた財源を市街化区域に集中投下し、効率的なインフラ整備を進めるという行政の意図がわかります。

ご自身の土地がどちらに属するかによって、生活の利便性や将来にわたる資産価値が大きく異なるのです。

「原則建築OK」と「原則建築NG」という入口の相違

不動産取引の実務において最も重要な違いは、建物を建てる際の手続きにおける「スタート地点」が全く異なる点です。

市街化区域の土地は「原則として建築できる」という前提から始まります。

そこから、用途地域などのルールに沿って「どのような建物なら建てられるか」を検討していく流れになります。

これに対して市街化調整区域は、「原則として建築できない」という入口で一度止められます。

そのため、まず「建築するための例外的な許可」を得られるかどうかが最初の大きなハードルとなるのです。

この許可が得られなければ、どのような建物を建てるかという話にすら進めません。

一般ユーザー目線で考えると、市街化区域と市街化調整区域は「原則建築できるか、できないか」という入口が異なるという風に整理できます。

非線引き区域や都市計画区域外との違い・位置づけ

すべての土地が市街化区域か市街化調整区域のどちらかに分けられているわけではありません。

補足として、それ以外の区域についても理解しておきましょう。

「非線引き都市計画区域」とは、両者の区分(線引き)がされていない都市計画区域を指します。

地方の小規模な市町村に見られ、一定の建築ルールは適用されます。

さらに、そもそも都市計画が定められていない「都市計画区域外」というエリアも存在します。

ここでは建築確認が不要な場合もありますが、電気や上下水道といったインフラ整備は公的な支援が期待できず、すべて自己負担となるリスクを伴います。

このように様々な区分がありますが、人口の多くが暮らすエリアは市街化区域か市街化調整区域のどちらかです。

まずはこの2つの根本的な違いを正しく理解することが、ご自身の土地の価値を見極める上で不可欠となります。

区域ごとに異なる家づくりの制限

市街化区域と市街化調整区域、いずれの場合も、家づくりを進める上で知っておきたいルールがあります。

もちろん市街化区域では原則家を建てられるのですが、一方で細かなルールや制限によって建てられる家の規模や設計に制限が加えられています。

市街化区域でも自由に家を建てられない4つの制限

「市街化区域の土地なら原則建築できる」というのは確かですが、例外もあります。

市街化区域は本来街づくりを促進するエリアではありますが、無計画な開発を防ぐために、実は多くのルールが定められています。

理想の家を建てるには、以下の制限を理解する必要があります。

用途地域により異なる立地可能な建物の種類の制限

用途地域とは、その土地をどのような目的で利用するかに応じて、市街化区域内を13種類に分類したものです。

例えば、閑静な住宅街を守るための地域や、商業施設を集める地域、工場の操業を優先する地域などがあり、それぞれ建てられる建物の種類が厳しく制限されています。

特に注意したいのが「工業専用地域」です。

この地域に指定されている土地は、たとえ価格が安くても住宅を建てることはできません。

用途地域の一例

ご自身の土地や購入を検討している土地がどの用途地域に属し、どんな建物が建てられるのかを、まずは確認する必要があります。

建ぺい率と容積率による建物の大きさの制限

建ぺい率容積率は、その敷地に対してどれくらいの規模の建物を建てられるかを定めた割合のことです。

建ぺい率は敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合、容積率は敷地面積に対する延床面積(建物の全フロアの床面積の合計)の割合を指します。

例えば、100㎡の土地で「建ぺい率50%・容積率100%」と定められている場合、建築面積は50㎡まで、延床面積は合計100㎡までしか建てられません。

このルールにより、敷地いっぱいに建物を建てることはできず、希望の間取りや部屋数を確保できないケースもあります。

こういった建ぺい率・容積率は、用途地域ごとに上限が決められています。

土地の広さだけで判断せず、建ぺい率と容積率を確認して、実際に建てられる家の大きさを把握することが重要です。

接道義務と再建築不可物件のリスク

建物を建てるための土地には、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールがあります。

これを接道義務と呼び、消防車のような緊急車両がスムーズに通れるようにするための決まりです。

もし接している道路の幅が4m未満の場合、建て替えの際には道路の中心から2m後退(セットバック)する必要があり、後退した部分は自分の敷地として利用できなくなります。

この義務を満たせない土地は「再建築不可物件」となり、現在建っている家を取り壊すと、新しい家を建てることができず、資産価値が大きく下落する要因になります。

古くからの市街地にある物件や、相続した土地では特に注意が必要です。

この接道義務を満たしているかどうかは、土地の価値を左右する極めて重要なポイントです。

市街化調整区域で例外的に家を建てられる3つのケース

原則として新たな建築が認められない市街化調整区域ですが、特定の条件を満たす場合には、例外的に家を建てることが可能です。

しかし、この例外ルールにも大きな落とし穴が潜んでおり、正しく理解しないまま土地を購入すると、取り返しのつかない事態になりかねません。

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自治体の条例で指定された誰でも建築可能な区域

市街化調整区域内でも、自治体が条例で「このエリア内であれば、一定の条件を満たせば誰でも住宅を建ててよい」と指定している区域があります。

これは都市計画法第34条11号に基づくもので、「11号区域」などと呼ばれます。

この区域の最大のメリットは、市街化区域の土地と同じように、所有者の属性を問わず「誰でも」住宅の建築や売買ができる点です。

そのため、市街化調整区域内では例外的に資産価値が認められやすく、住宅ローンも利用できる可能性があります。

この区域に該当するかどうかは、土地の価値を判断する上で非常に重要な情報です。

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特定の人のみに許可される分家住宅の注意点

分家住宅とは、その地域に長年住んでいる農家の本家から分かれて、その子や孫が新たに家を建てる場合などに、特例として建築が認められる建物のことです。

これは都市計画法第34条12号などに基づく許可であり、特定の「人」の事情を考慮したものです。

最も注意すべきなのは、この許可が申請者本人に与えられた「属人性」の高い権利であるという点です。

そのため、分家住宅として建てられた家を第三者が購入しても、同じように建て替えができる保証は全くありません

買った後に建て替えができないことが判明するケースも多く、資産価値は極めて低いと評価されます。

相続したご実家がこの分家住宅にあたる場合、売却は大変難しくなります。

売買を検討する際は、この許可の性質を十分に理解する必要があります。

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「線引き前から宅地」という理由だけでは再建築不可

線引き前宅地とは、市街化区域と市街化調整区域の区域分け(線引き)が行われる前から、宅地として利用されていた土地のことです。

以前は比較的容易に建て替えが認められていましたが、現在はこの考え方が通用しないため、注意が必要です。

2001年の法改正により、「昔から家が建っていた」という事実だけでは再建築の許可は下りなくなりました。

現在では、自治体が定める個別の条例などに適合しなければ、再建築は認められません。

古い家が建っているからといって「建て替えも大丈夫だろう」と安易に判断し、解体してしまうと、二度と家を建てられないただの更地になってしまう危険性があります。

これは市街化調整区域における最も深刻な落とし穴の一つです。

価格・税金・ローンで見る不動産価値の違い

市街化区域か市街化調整区域かという違いは、土地の利便性だけでなく、不動産の経済的な価値そのものに大きな差を生み出します。

価格の安さだけで判断するのではなく、さまざまな条件を比較検討して、本当に有利かどうかを確認してください。

お金から見た違い

ご覧の通り、市街化調整区域は初期費用や税金が安いという側面がありますが、資産価値、資金調達、そして出口戦略である売却において、大きなハンディキャップを負うことがわかります。

資産価値と売却のしやすさ

資産価値とは、その不動産が将来にわたって持ち続ける経済的な価値を指します。

市街化区域の土地は、誰でも住宅や店舗などを建築できるため、買いたいと考える人の数が多く、需要が安定しています。

これに対して市街化調整区域の土地は、建築できる人が法律や条例で厳しく制限されるため、買い手を見つけること自体が難しく、不動産としての市場価値は著しく低くなるのが一般的です。

もし将来、住み替えや相続などで土地を手放す可能性が少しでもあるなら、売却のしやすさは無視できない重要なポイントになります。

固定資産税と都市計画税の課税の違い

土地や建物を持っていると毎年課税されるのが固定資産税です。

これに加えて、市街化区域だけに課税される税金として都市計画税があります。

都市計画税は、道路や公園、上下水道といった都市のインフラを整備・維持するために使われる目的税です。

街づくりを積極的に進める市街化区域の住民が、その恩恵を受ける代わりに費用を負担する仕組みとなっています。

そのため、市街化を抑制している市街化調整区域では、原則として都市計画税は課税されません。

税金の負担だけを見れば市街化調整区域の方が有利に感じますが、その分、インフラが未整備で自己負担が発生するリスクがあることも忘れてはなりません。

ただし、市街化調整区域であっても都市計画税が例外的に課税されるケースもあります。詳しくは以下の記事で確認してください。

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住宅ローン審査への影響と金融機関の評価

住宅ローンは、購入する不動産を「担保」として金融機関からお金を借りる仕組みです。

金融機関は、万が一ローンの返済が滞った場合に、その不動産を売却して資金を回収できるかという視点で、土地の担保価値を厳しく評価します。

市街化区域の物件は市場での売却が容易なため、担保価値が高いと評価されます。

一方、市街化調整区域の物件は、再建築ができないリスクや買い手の限定から「売却困難な不動産」と見なされるため、担保価値がほとんど認められません。

その結果、住宅ローンの審査に通ることは極めて難しいのが実情です。

誰でも建築できることが条例で定められている一部の土地などを除き、市街化調整区域で住宅ローンを利用するハードルは、とても高いと認識しておく必要があります。

失敗しないための不動産調査と購入の判断基準

土地の価値や建築の可能性を根本から左右する区域区分を、ご自身で正確に把握することが失敗を避けるための最も重要な第一歩です。

不動産取引では「知らなかった」では済まされない事態も起こりえます。

ご自身の土地や購入を検討している物件について、まずは現状を正しく理解することから始めましょう。

ここでは、誰でも実践できる区域区分の調べ方から、プロの宅地建物取引士の視点での購入判断基準まで、順を追って解説します。

これらの知識は、将来の大きな損失を防ぐための大切な防具となります。

自分の土地の区域区分を調べる3つの方法

ご自身の土地がどちらの区域に属するのか、難しく考える必要はありません。

誰でも簡単に確認できる3つの方法があります。

それぞれに手軽さや得られる情報の詳しさに違いがあるため、状況に応じて使い分けるのがよいでしょう。

まずは手軽なインターネットから始め、最終的に役所の窓口で正確な情報を確認するという流れが、最も効率的で間違いのない進め方です。

インターネットの都市計画マップでの確認

最も手軽な方法は、自治体がインターネット上で公開している都市計画マップで確認することです。

検索エンジンで「〇〇市(お住まいの自治体名) 都市計画図」や「〇〇市 マップ」などと入力すれば、該当するページが見つかります。

多くの場合、地図が色分けされており、市街化区域は赤系、市街化調整区域は緑系などで表示されています。

自宅にいながら24時間いつでも、費用もかからずにおおよその区域区分を把握できるのが最大の利点です。

ただし、ウェブサイトの情報が最新でない可能性や、境界線がわかりにくい場合もあるため、あくまで参考程度と捉えてください。

全国都市計画GISビューア|(公財)都市計画協会

物件資料や固定資産税の納税通知書での確認

不動産の購入を検討している場合や、すでに土地を所有している場合は、お手元にある書類で確認できることがあります。

不動産会社から受け取った物件の広告や概要書、重要事項説明書には「市街化区域」や「市街化調整区域」といった記載があります。

また、毎年春ごろに送られてくる固定資産税の納税通知書も確認してみましょう。

課税明細書の「都市計画税」の欄に税額が記載されていれば、その土地は原則として市街化区域内にあります

市街化調整区域では、原則として都市計画税は課税されません。

これも一つの判断材料になります。

役所の担当窓口で確認すべき事項

最も確実で詳細な情報が得られるのが、市役所や区役所の担当窓口で直接確認する方法です。

専門の職員から、区域区分だけでなく、建築に関する様々な制限についても詳しく教えてもらえます。

事前に電話でアポイントを取っておくと、スムーズに相談できます。

窓口では「この土地に、自分が住むための家を建て替えられますか?」あるいは「第三者がこの土地を購入した場合でも、住宅の建築は可能ですか?」といった、ご自身の状況に合わせた具体的な質問をすることが重要です。

宅建士が解説する市街化調整区域の土地購入判断

ここからは、プロの視点で市街化調整区域の土地を購入すべきかどうかの判断基準を解説します。

最もお伝えしたいのは、価格が安いという理由だけで安易に飛びついてはいけないということです。

その安さの裏には、建築制限やインフラ整備の自己負担、売却の困難さといった、多くのリスクが隠れています。

大切なのは、「誰が」「どのような根拠で」建物を建てられる土地なのかを見極めることです。

その土地の可能性とリスクを総合的に判断する必要があります。

購入してもよいケースの具体例

市街化調整区域の中にも、建築や売買がある程度自由に行え、資産価値が比較的保たれやすい例外的な土地が存在します。

もし検討している土地が下記に該当し、かつインフラ整備費用などの追加コストについても納得できるのであれば、購入を前向きに考えてもよいでしょう。

これらのケースであっても、必ず複数の専門家に相談し、将来のリスクを十分に理解した上で最終的な判断を下してください。

購入を避けるべきケースの具体例

反対に、価格の安さに惹かれて安易に手を出すと、将来にわたって大きな負担を抱え込む「負動産」になりかねない、特に注意が必要な土地もあります。

以下のケースに該当する場合は、購入を避けるのが賢明な判断です。

特に「分家住宅」として建てられた中古物件は、購入した第三者が同じように建て替えられる保証は全くありません。

その土地に根差した特別な許可であることが多く、許可の根拠が失われれば、二度と家を建てられない土地になるリスクが極めて高いことを覚えておきましょう。

よくある質問(FAQ)

相続した土地が市街化調整区域でした。もう家は建てられないのでしょうか?

諦めるのはまだ早いかもしれません。

原則として新たな建築は制限されますが、例外的に家を建てるための建築許可が得られるケースがあります。

例えば、自治体が条例で定めた「11号区域」などに指定されていれば、所有者の属性に関わらず住宅の建築が可能です。

また、ご両親が長年その土地に住んでいたなどの条件を満たせば「分家」として許可が下りることもあります。

まずは役所の都市計画課で、ご自身の土地がどのような条件に当てはまるかを確認することが第一歩となります。

市街化調整区域は固定資産税が安いと聞きましたが、相続税の評価も変わりますか?

はい、相続税を計算する際の土地の評価額も市街化区域とは異なります。

市街化区域の土地は主に路線価(道路に面した土地の1㎡あたりの価格)で評価されますが、市街化調整区域の土地は固定資産税評価額に一定の倍率を掛ける「倍率方式」で評価されることが一般的です。

厳しい建築制限があるため資産価値が低く評価され、結果的に相続税の負担が軽くなる傾向にあります。

市街化区域なのに「再建築不可」と言われました。どういうことですか?

市街化区域でも再建築不可となる主な原因は「接道義務」を満たしていないことです。

建築基準法では、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。

この条件を満たせない土地は、現在建っている家を解体すると新たに家を建てることができません。

特に古くからの市街地では、前面道路の幅が狭いために建て替え時にセットバック(敷地を後退させること)が求められるケースもありますので注意が必要です。

将来、市街化調整区域が市街化区域に変わる可能性はありますか?

その可能性は極めて低いです。

人口減少が進む現在、多くの自治体はむしろ市街地をコンパクトにまとめる「コンパクトシティ」政策を進めています。

そのため、新たに市街化区域を拡大するのではなく、既存の市街化区域内でもインフラを維持するエリアを限定していく傾向があります。

「将来は市街化区域になるだろう」という期待だけで市街化調整区域の土地を購入することは、非常にリスクの高い判断です。

市街化調整区域で開発許可を取るには、どれくらいの費用と時間がかかりますか?

市街化調整区域で建築するには、建物を建てる前の造成工事などに対する「開発許可」の手続きが必要です。

この手続きは非常に専門的で、自治体との事前協議から始まり、測量や設計図面の作成、各種申請書類の提出など、数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。

費用も測量費や設計料、申請手数料などで数十万円から数百万円に及ぶ場合もあります。

個人で進めるのは難しいため、専門の行政書士などへ相談することが不可欠です。

市街化調整区域にある畑(地目)を宅地にして家を建てることは可能ですか?

その場合、都市計画法上の建築許可に加えて、農地法に基づく「農地転用」の許可も必要になります。

つまり、市役所の都市計画課と、地域の農業委員会の両方から許可を得るという二重のハードルが存在するのです。

特に周囲に優良な農地が広がっている場合など、農地転用の許可が下りないケースは少なくありません。

地目が「畑」や「田」の土地を購入し、家を建てることをお考えの場合は、必ず事前に農業委員会で転用の見込みがあるかを確認することが重要です。

まとめ

この記事では、市街化区域と市街化調整区域の根本的な違いについて解説しました。

最も重要なのは、市街化区域は「原則として建築できる」のに対し、市街化調整区域は「原則として建築できない」という、家づくりのスタート地点が全く逆である点です。

ご自身の土地の価値や可能性を正しく見極めるために、まずは自治体の都市計画マップや役所の担当窓口で、どちらの区域に該当するのかを確認することから始めましょう。

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この記事を書いた人

アップライト合同会社「市街化調整区域マニュアル編集部」が記事を制作しています。記事制作にはAI Direct Editorを使用する場合があります。その場合でも、記事構成は人が精査し、参照すべき主要情報源を指定したうえで原稿を作成しています。公開前には内容の確認と校正を行っています。

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